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2007年9月の6件の記事

Goin' Home

Fats_tribute 予約しておいたFats Dominoのトリビュート・アルバムが届いた。96年にもEMIからサンディ・ネルソン、ジョニー・バーネット、キャンド・ヒート、チープ・トリックなどのファッツ・カヴァー曲と、ファッツ自身の演奏が入った同趣向のCDが出されたことがあるが、今回はJohn Lennonの1曲以外は全て新録。そして最も大きな違いはベネフィット・アルバムであることだ。

ナショナル・ジオグラフィック誌の日本語版9月号は、図版や測量データを用いてニューオーリンズ市街のほとんどが海抜下にあることを教えてくれた。Fatsが生まれ、育ち、住み続けたLower 9th Wardの被害や、復興の道のりが記されているが、総じて悲観的だ。「ここは人の住むべき場所ではありませんが、それでも私たちはここで暮らしています」と述べるLSUの教授や、プリザヴェイション・ホールでトランペットを吹くケネス・テリーは「ここ以外の土地ではだめなんだ。おれたちのジャズは魂(ソウル)から生まれてくるものだから」と呟く。

今回のFatsトリビュートCDはTipitina's Foundationの企画でVanguardからリリースされたもの。Lower 9th Ward復興に寄与するための作品集だ。参加ミュージシャンとその組み合わせはジャンルを横断する、いかにもニューオーリンズらしい内容で感動的だ。

  • B.B.King with Ivan Neville's Dumpstaphunk
  • Taj Mahal and The New Orleans Social Club
  • The Dirty Dozen Brass Band with Joss Stone and Buddy Guy
  • Paul McCartney featuring Allen Toussaint
  • Lenny Kravitz with Rebirth Brass Band and Troy Andrews, JB Horns
  • Bonnie Raitt and Jon Cleary
  • Robbie Robertson with Galactic
  • Robert Plant with Lil Band O' Gold
  • Herbie Hancock with George Porter Jr., Zigaboo Modeliste and Renard Poche
  • Preservation Hall Jazz Band with Wolfman Washington and Theresa Andersson
  • Irma Thomas and Marcia Ball
  • Ben Harper with The Skatalites

もちろん単独でArt Neville、Dr.John、Neil Young、Randy Newman、Lucinda Williams、Elton John、Los LobosらもFats Dominoのヒット曲を嬉々として演奏する。これだけの顔ぶれとなると、完成までの道のりは並大抵のものではなかっただろう。ファッツに象徴されるこの地の音楽文化へのリスペクトと復興という二文字のために集結したミュージシャン魂を強く感じる2枚組だ。

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ブルースな夜 Vol.16 終了

Archibald_2 23日(日)に開催されたBlues Records DJ's Night Vol.16、盛況に終わりました。左のSP盤は、日暮さんが冒頭に回してくれた盤です。「これ、持ってる?」。「いえ、持ってません」。で、ありがたく頂いてきました。噂によると、New Orleans Music Guide Bookのギャラはこの盤で現物支給でおわるらしい(笑)。その日暮さんは、戦前のミシシッピ・デルタをSP盤で聞かせてくれました。Robert Petway、Big Boy Crudup、Charley Booker、Black Aceなどなど、モーンしてました。和田さんはJimmy McCracklinなどのお得意な西海岸ブルースや、Long John Hunterなどテキサスの珍しいものを回していました。健一君は、ブルースでもちょっと外した、例えばT-Boneの"Plain Old Down Home Blues"でセニョ~ルと唸ったり、バートン・クレーンのCDかけたり。俺がひょんなことからお知り合いになった、バートン・クレーンのそのCDを制作された石川さんがいらしてくれたので、健一君の選曲はとても嬉しかったなー。俺の選曲は相変わらずベタですが、以下のSP盤をプレイしました。

  1. Rene Hall Trio / My Kind Of Rockin' (Decca48217)
  2. Sonny Boy Williamson / Boppin' With Sonny (Ace511)
  3. Goree Carter / Rock Awhile (Freedom1506)
  4. T-Bone Walker / You're My Best Porker Hand (Capitol70023)
  5. Lowell Fulson / Blues Rhumba (Checker854)
  6. Gus Jenkins / You Told Me (Flash115)
  7. Jimmy Nolen / Wipe Your Tears (Federal12262)
  8. Otis Rush / Groaning The Blues (Cobra5010)
  9. Eddie Taylor / Ride Em On Down (Vee-Jay185)
  10. Memphis Slim / Blue And Lonesome (United201)
  11. Pee Wee Crayton / You Know, Yeah (Imperial5321)
  12. Fenton Robinson / Mississippi Steamboat (Duke191)
  13. Huey Smith / Just A Lonely Clown (Ace538)

やはり最後はNew Orleansへ辿り着いてしまいました。はは。

みなべかん氏主催のこのイベントも来年で10周年とのこと。その時は今まで顔を出したDJ全員が参加して盛り上げるのがいい。今から楽しみ(と来年の話はまだ早いか?)。

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New Orleans Music Guide Book pt.3

Nomgb_cover_fv ついに校了しました(ブルース・インターアクションズ刊)。あとは本が出来上がるのを待つばかり。発売は10月19日(タワレコ全店で10月7日の先行発売)です。価格は\2,625。ちょっと飲みに行くのを我慢すれば、ね、安いもんですよ。

目次からContentsをひろってみました。以下のような内容です。お楽しみに!

Contents

◎ニューオーリンズの巨人 貴重写真

GOING TO NEW ORLEANS

 楽都ニューオーリンズを行く

◎ニューオーリンズ・オリジナルLPコレクション

GOIN’ BACK TO NEW ORLEANS

 ニューオーリンズの歩みは音楽とともに

WORDS for N.O. LOVERS

 ニューオーリンズを知るための用語解説

CARNIVAL & FESTIVAL GUIDE

 一度は観たい! 名物カーニヴァル&フェスティヴァル・ガイド

THE GIANTS OF NEW ORLEANS MUSIC

ニューオーリンズの巨人たち

●ファッツ・ドミノ 飛び抜けた“混血”ぶりでチャートを占拠

●デイヴ・バーソロミュー ニューオーリンズR&Bの参謀

●スマイリー・ルイス 怒濤のジャンプ・サウンド

●プロフェッサー・ロングヘア 唯一無二のフェス・スタイル

●ヒューイ“ピアノ”スミス 街の気概を体現するお祭り男

●ギター・スリム 全力疾走の激情ブルース

●スヌークス・イーグリン 闇を切り裂く稲妻ギター

●アール・キング 愛敬溢れる温暖な個性

●エディ・ボー 泥臭く庶民的な芸人魂

●アラン・トゥーサン スウィートなトゥーサンの魔法

●リー・ドーシー 年中無休、いつもファンキー

●ワイルド・マグノリアス 楽都ニューオーリンズの象徴

●ドクター・ジョン ニューオーリンズ・ルーツの伝導師

●ミーターズ 奔放自在なファンキー・ミラクル

●ネヴィル・ブラザーズ 結束する血の絆

●ダーティ・ダズン・ブラス・バンド 伝統を打ち破る強固な姿

●リバース・ブラス・バンド パワフルなストリート感覚

DISC GUIDE

ディスク・ガイド

◆ニューオーリンズ初心者はここからどうぞ!

◆ジャズ/ブラス・バンド Jazz/Brass Band

Column ニューオーリンズ・ジャズ事始め

Column ニューオーリンズ・ビートの秘密

◆リズム&ブルース/ロックン・ロール R&B/R&R

  Column ジャマイカ音楽の原動力

◆ブルース Blues

  Column 英国ニューオーリンズ事情

◆ソウル/ゴスペル Soul/Gospel

  Column 70年代に賑わったアラン・トゥーサン詣で

◆ネヴィル・ファミリー The Nevilles

◆ファンク/ジャム・バンド Funk/Jam Bands

  Column ニューオーリンズとヒップホップ

  Column ジャム・バンドとニューオーリンズのシェア精神

◆マルディ・グラ・インディアン Mardi Gras Indians

◆ロック Rock

  Column ロックを惹きつけたニューオーリンズの磁力

◆その他 Others

Column ニューオーリンズのザディコ事情

◆企画アルバム Concept Albums

  Column ブラック・トップ・レコード

◎ニューオーリンズ・R&B・クラシックス 24選

45rpm レア盤・珍盤コレクション

STANDING IN THE SHADOWS OF NEW ORLEANS - THE BYPLAYERS

主要スタジオ・ミュージシャン人名録

◎紙の上のニューオーリンズ ニューオーリンズ音楽を楽しむための書籍27冊

◎映像ソフト紹介

◎人名索引

◎執筆者紹介

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Anyway You Want It !

Dj_night_vol16 いよいよ9月23日(日・祝)が近づいてきました。高速回転で身を削って音を出す、けなげなSP盤のDJ会です。テーマは各DJにお任せなので、何が飛び出すか分かりません。フライヤーが届いたので掲載しました。

お時間のある方、ぜひご来場ください。詳しくは渋谷ブルーヒートまで.。

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New Orleans Music Guide Book pt.2

Booker 先月から本の打ち合わせで東京に行く以外はほぼ「引きこもり」状態が続いています(田舎暮らしの言い方か?)。春先まで、毎日昼休みにレコード屋通いしてたのが嘘のよう。リハビリしないと渋谷は歩けないでしょうね。ところで、既報の本の件ですがだいぶ形になってきたような。文字原稿はほぼ集まって校正の毎日ですが、「てにをは」直しだけならいいですが、事実誤認もちらほらで、その確認が大変です。複数ライターに依頼したので連絡作業やら何やら、混乱してます。

ゆっくり図版、写真選びをしたいところですがね。コンテンツとしては、グラビア・ページがあって、本文に入って歴史、音楽などの俯瞰、用語解説、フェスティヴァル・イベント紹介、重要アーティスト(17名/バンド)紹介、そしてメインのディスク・ガイド(な、何と700枚超!)、定番名曲をシングル盤で掲載、レア・珍盤シングル、関連書籍紹介、映像紹介、主なスタジオ・ミュージシャンなどなど。予定では288ページの本であります。しっかし、監修ってーのが、というか本を作るのがこんなにヘヴィな作業とは。

今週中に校了しないと、発売日が........。

秋になったら発売イベントを企んで、お酒を飲みたい。そんな楽しいことを頭に描きながらラスト・スパートしましょうかね。

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Soul Without Song

Fame_gang ソウルの名曲をインストでなぞるアルバムが好き。一歩間違うと間抜けな演奏になってしまいがちだが、間抜けな感じとソウルど真ん中の狭間がスリリングでよろしいな。「The Fame Gang / Solid Gold from Muscle Shoals」もそんな一枚。歌伴やらせりゃバッチリであるが、その歌の代わりにClayton Ivyのkbdが長閑にメロディを奏でる。さすがFame、"Too Weak To Fight"はかっこいい出来だ。

Shirley 女性ハモンド奏者、Shirley ScottはPrestige、ImpulseにかなりのLPがあるが、Atlantic時代はSoulまっしぐらでコテコテだ。"It's Your Thing"の入った次作の「Soul Saxes」が凄いがこのアルバムも侮れぬ。A面のアタマが"Think"なんだからたまりません。"When A Man Loves A Woman"の何とも言えぬオットリ感こそ「歌のないソウル」の真骨頂。バーナード・パーディが叩く意味あんまりなさそうだけど、スネア一発にソウルあり、だな。

Jacky タイトルからして「Soul Discoverly」で、感動します。"High Heel Sneakers"、"Lonely Avenue"のスタンダードをいなたいハモンドでウリグリと弾きます。ジャケットもよろしいが、タバコ嫌いの人には見せられませんね。

はた、と閃いた。この伴奏で俺が歌えばいいんだ。一人でいるときに歌ってみよう。これで俺もソウル歌手、なんてね。まだまだ暑い。ソウル抜きでは暮らせませんな(?)

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